技能検定 電子機器組立て作業奮闘記

「技能検定 電子機器組立て作業」受験への思いから、受験合格までをまとめました。

実技試験

6-2.作業手順

2017年受験時より、作業手順をまとめていたものを、毎回手直しして、それを基にイメージトレーニングして、実作業の回数不足を補いました。
実際の作業をするためには、教材が必要でそれを節約しました。

目 標 時 間
No. 作業項目 作業時間
a 部品仕分け 20分
b プリント板組立て 120分
b-1 PB2の組立て(2級の時は90分でもいいが、1級の時は60分)
b-2 PB1の組立て(2級の時は30分、1級の時は60分)
c 束線 30分
d シャーシ組立て、配線 60分
e 調整 10分
合計 240分
作業手順と注意事項
a.部品仕分け

部品を間違った場所に置かない。特にICとチップR
部品整理用具について部品記号の表示のみ可である。私は、使用する順番に部品を配置するようにした。
なべ小ネジについても使用する順番に配置した。
その他大きい部品について、私は細かく区別したが時間の無駄だった。

b.プリント板の組立て

はんだは手持ち用と設置用に分けておき、設置用はマスキングテープで机に固定した。
設置用のはんだは、電線の予備半田や何かを支えながらはんだこてのこて先へのはんだ供給に使用する。
はんだはΦ0.4 150cm、Φ0.8 250cm用意されているが、私は不足することはなかった。
はんだのΦ0.4はSOP ICやチップRに使った。その他はΦ0.8を使った。

b-1.PB2の組立て

プリント板組み立て図A面、B面のチップC(104K)15個に試験開始後すぐに、実技試験問題のPB2プリント板組立て図に、マーカーでマーキングした。A面はしなくてもいいと思うが、B面はチップRと区別する意味で私は行った。
A面8ヶ所、B面7ヶ所。

A面のSOP IC (IC6,8,5)マスキングし各足予備はんだ。マスキングテープ(幅12mm)を貼ることにより、はんだの拡散を防止することができるため慎重に行う必要がある。この時はんだが多くならなうようにする。

SOP ICを仮付し、本はんだ。ICのリードの形状がわかるように、はんだの量を控える。
マスキングテープを剥ぐときにピンセットを使ってしまうと、後で大変なことになるので注意すること。それは、ピンセットに粘着が移り、チップ部品をピンセットでつかんだ時に離れなくなってしまう。そのため、マスキングテープの片側を折り返しておく。

チップC(104K)8個 片側にチップが固定できるよう予備半田する。
チップCをテーピングから取り出した時、私はステンレスのプレートに取りだしのち、はんだ付けする近くにピンセットで置く。この時は。予備はんだした方に仮付をすべてしたのち、本付けをする。

B面もSOP IC 、チップC(104K)7個はA面と同じ作業をする。
チップRはパターンの片側を予備はんだする。ここで注意することは、チップC(104K)は、表示がないため裏表、数字の読む方向がなかったが、チップRはそれがある。

そのため、テーピングから取り出す時に、裏返らないようにとり扱いを注意しなければならない。
私は、テーピングのテープを剥いで、台紙部分を少し曲げてチップを取り出した。何個かチップを取り出し、はんだ付けする近くにおいて何個か置いたら、仮付を繰り返し、チップD,Trも仮付が終わったら、本付けをし、仮付けしたところも再度はんだを流して本付けとする。
Dは極性を間違えないこと、TRははんだの量が増えすぎないことに注意する。

リード線付きR,Dはパターンピッチにより各2種類あり、リード線を左右バランスよく曲げるために、4mm、5mm、6mm、7mmの寸法で曲げる必要がある。そのためにリードペンチを利用するのだが、なかなかいいものがない。私はいろいろ探して、3種類のリードペンチを使用した。
リードペンチに各寸法のところに印をつけることが、専用治具的に加工された工具に当たらなければそれで事足りるが、私には判断できない。
R25~R27 3本 5mmで曲げる。
他のRは4mmで曲げる。

右の写真の縦に並んでいるリード付き抵抗4本は、私が間違えて、部品の取り付け方向が逆になった。

D3~D6 4本 6mmで曲げる。上の面に表示が出るように曲げる
D2 7mmで曲げる。

プリント板に挿入したリード線を折り曲げる時に、本体部分を押さえておいて本体が浮き上がらないようにすることと、折り曲げたリード線が重なると折り曲げ部分が浮上がるので注意すること。

R、D、足のカットは、2mm~4mm パターンからはみ出さないように、同一方向をカットしてから回転させカットする。
J1~4は3極×2、5極×2にカットしておき、5極×2はLED4(発光表示器)のピンに挿入しておく。

DIP ICは足のピッチが、パターンピッチより広いので、ICの片側の足をテーブルに押しつけて内側に曲げる。
ICを挿入後、マスキングテープでPBに貼り付け仮はんだ後に、その部品の浮きを確認する。

RB1,S2、JS1,JS2,J1,J2、TP マスキングテープでPBに貼り付ける。
表面にフィレットが必要なものは、対角をはんだ本付を行ったのち、その部品の浮き確認修正をする。

IC3(フォトICダイオード)に6mmの絶縁チューブをかぶせ、極性を間違えないようにPBに挿入し足を曲げる。
コンデンサー挿入足曲げ(電解コンデンサー極性注意、積層セラミックコンデンサー表示方向注意)

VR,RLY1、IC11(3端子レギュレータ) マスキングテープでPBに貼り付け仮付け後に、その部品の浮きを確認する。その後、足2.5mm以下にカットする。
TB1,TB2 マスキングテープでPBに貼り付け仮付け後に、その部品の浮きを確認する。
全ての部品の仕上げはんだ付け。ラウンドは全面はんだで埋める。リード部品、カットした部品のリード端面もはんだで覆う。
挿入面の全周にフィレットができるようにする。
*私は試行錯誤したが、フィレットが確実に出来ない。
但し、スルーホールを通っているリードを十分に加熱し、少しはんだを流し込んだ後、はんだを送り込んではんだ付けをするようにしてフィレットを作るようにしている。
初めから、大量のはんだを供給すると、フィレットはできにくいと、私は感じている。
また、一度フィレットができていない場合、後からいくらはんだを供給してもフィレットはできない。

SE1はVR2側が1番ピン。XSE1(フレネルレンズ)の取り付け

b-2.PB1の組立て
<2級の場合>

R31~R37 7本 リードペンチで先端で曲げる。(R15の曲げ)
Rの足の折り曲げの時、Rが浮かないように押さえて行う。
足のカットは、2mm~4mmでパターンからはみ出ないようにカットする。
IC13,C27は極性に気を付ける、C26は部品の表示方向に気を付ける。
リード部品端面もはんだで覆う
J1~J4は3×2、5×2に切り分け、J3J4に表示器を取り付けてから半田付
端子台はB面取付け、方向、浮き注意
端子台とC27は挿入面フィレットが部品に隠れているので見えないので、気にしなくてもいい

<1級の場合>

PBがプリント板で無く、穴あき板に軟銅線で回路を作ることになる。
また、そのA作業が4パターンから当日指定された、作業番号で行わなければならない。

最初にIC13,LED4の部品を指定された位置に仮付けする。
穴あき板に指定された位置に部品を置くとき、穴6個分は150mmのスケールの幅を、穴4個分はTB3の幅を利用するとよい。
この時もマスキングテープで部品をPBに貼り付け固定してから仮付けを行い、部品の浮きを確認する。
R31~37とC26,C27を挿入し足の折り曲げカットを行う。この時部品のリード線がランドからはみ出さないこと。
あらかじめ、考えておいたパターン図に沿って、ジャンパ線を挿入する。

はんだ付けをする時、A-1とA-2の作業番号の時は、LED4の6番ピンから始めたほうが軟銅線の位置関係が分かりやすいので配線しやすいと私は思った。

c.束線
<2級の場合>

指定された束線図を、束線板にマスキングテープで張り付け、その図に従って釘を打っていく。
トランスの端子位置の確認
釘を打つ時は右上から行う。机がしっかりしていない場合は、釘打ちは床がいい。
配線の色の順番開始位置
配線する前に、線のねじれを治しておく
左側は、
黒はTB1スタート、白はT1スタート、黄色はTB1スタート

右側は、
黄色 TB3とTB2とLED1~3(LED1スタート)
赤 TB3 と TB2
黒 TB3 と TB2とLED1~3(TB3スタート)
釘を5mmピッチで(右利きの場合)右から左に打つ練習が必要
結束バンドは、先端を曲げてから使う
線のカットははさみを使用して、まとめてカットする。
コーナー部分の釘を先に抜いてから、結束する。
結束バンドの絞る方向は一定にし、間隔は30mm以下
ゆるみが無いように結束する。
電線の長さは、分岐から70mm、ただし、FUSE、SWは長めにする
被覆をむいて先端のみ予備はんだ トランス10mm、その他6mm
端子台に挿入する線は9mmの位置にワイヤーストリッパーで切れ目を入れておくのみにする

<1級の場合>

A作業が4パターンから当日指定された、作業番号で行わなければならない。
そのために、あらかじめ4パターンの束線図を描く方法を用意しておかなければならない。
私の場合は、04練習のところに書いた通り

d.シャーシ組立て、配線

ヒューズ、SW、TB4,LED1~4、トランスはんだを盛ってから吸取っておく。トランスのはんだは多めにしておく(はんだ面が綺麗で無いので) とDVDを見て思い、はんだ吸取り器まで購入したが、そこまでしなくてもいいと思う。

底板シャーシの保護紙を取り、ゴム足4個を取り付ける。
ゴム足の台形の短い方にピンセットで切り込みをいれ、M3×14+PWをそこにいれる。
ゴム足の台形長辺を上にして作業台に並べ、シャーシを乗せる。そしてPW+ナットで指先で簡単に回らない程度に締付ける。
スイッチの取り付けは、銘板の保護紙を取り、傾きがないようにする。頭のねじは0.5~1.5mm。
内側のナットを14mmのスパナ(薄口がいい)で締め付ける 表面のナットの向きにも注意する
ヒューズホルダーは17mmのスパナで締め付ける
端子台はM3×16 PW1 SW1 ナット
ゴムブッシュのはめ込み

トランスはむきしろ10mmで、1回以上の巻き付けからげ。
(トランスの1次側100V端子と2次側8V端子を確認する。)
巻き付け、からげ方向は部品ごとにそろえる。
トランス取り付け。 傾きに注意する。
シャーシをひっくり返して、M3×10+PWを入れてマスキングテープでネジを固定して、シャーシをひっくり返す。(この時、マスキングテープは、後から剥がしやすいように片側を折り返しておく。)
トランスにネジを通し、PW+SW+ナットを入れて、ドライバーとボックスドライバーで締付ける。

トランスついて、私が購入した物は実技試験の時のものと異なったので、各端子の電圧表示を確認する必要がある。

ヒューズ、SW、TB4、むきしろ6mmで穴あき端子にひっかけからげで、部品ごとに方向をそろえる

PB2の取り付け。M3×25  スペーサ PW2 SW1 ナット 
シャーシをひっくり返して、M3×25+PWを入れてマスキングテープでネジを固定して、シャーシをひっくり返す。
ネジにスペーサ+PB2+PW+SW+ナットで締付ける。
ただし1か所はPWのかわりにラグ端子

ラグ端子 はんだめっき後、ひっかけからげ

正面シャーシの保護紙を取り、LEDをはめ込む。上から赤、緑、橙。この時、LED1~3はシャーシの穴が小さくて入りにくいので、少しヤスリで削って、穴を大きくしてからLEDを挿入したほうがいい。
LEDの本体に+の表示がある方を、3個とも外側に向けたほうが、後から確認しやすい。

PB1の取り付け。PB2の取り付けと同様にネジM3×25をシャーシに挿入後、マスキングテープで固定してひっくり返してから、スペーサを入れPB1を挿入しPW+SW+ナットで締付け固定する。
LED 3か所の穴あき端子にひっかけからげで、はんだ付けをする。

作業番号(A-1)の配線

作業番号(A-3)の配線

線を9mmmむいて線をよじり端子台に挿入する。上から見て芯線が見えないこと

ハーネスの整形をしてから、底面シャーシに取り付ける。
正面シャーシにM3×25+PWを入れてマスキングテープでネジを固定して、シャーシをひっくり返す。底面シャーシにネジを通してPW+SW+ナットで締付ける。

ACコードの整形 シャーシ対角の長さ(200mm)を取り、その先150mm二つ折りして、周りを巻く
ACコードの整形を調整前に行うと、用意されているコンセントから距離があるので通電しにくい。したがって、1m程度のテーブルタップがあるといい。

シャーシ内にACコードを通してはんだ付けしてからでは、ACコードの整形がしにくい。
ACコードをゴムブッシュを通して結び目を作り、ムキ代8mmでSW,Fuseの穴あき端子にひっかけからげ
FuseホルダーにFuseを入れる

e.調整
<感度調整>

VR1VR2VR3を左に回し切る
JS1を秒側、JS2を調整側、S2は1と4はOFF側、2と3はON側
テスターは、テストクリップでチェック端子に接続して電圧測定を行い、通常のテストリードでリレーの動作を端子台(TB4)でチェックする。
従って、2台テスターがあったほうがいい。

IC3に光を当てて、VR3でTP3-TP4を1.5±0.05V(1.495~1.505V)に合わせる
IC3を遮光して、LED1の点滅(遮光する時マーカーのキャップを使用すると便利)
VR2でTP1-TP2を3.6±0.1V(3.5~3.7V)にする
VR1を右に回してLED2が点灯する位置にする。
VR2を左に回し切りLED2が消灯して、LED3が点灯してLED4がカウントダウン
VR2を右に回し、LED2が点灯したときTP1-TP2を3.6±0.1V(3.5~3.7V)を確認
VR2を左に回し切る。

<通常の動作確認>

JS2を動作側にする。

一連の動作を確認し、RLY1の動作を、TB4でテスターでON,OFFを確認する。
S1はOFF側

<製品提出時>

アンダーラインに合わせる

目次

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